近年、みんなで集まって練習をするのが難しくなっている反面、壁打ち場が大人気みたいです。
公園と併設さる形で、コンクリートでできた壁打ち場と言われる場所が日本各地にあり、ラリーをするためには相手がいないと出来ませんが、壁打ちなら一人でストロークやボレー練習が手軽にできますよね。
ただ、ボールの跳ね返りが速く、初心者には難しく感じられるかもしれません。
そんな壁打ち練習を、どうしたらうまくできるのか、効果がある練習方法は?など、コーチ目線でメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
SS.P代表 松田 智行
テニス協会公認コーチ コーチ歴19年
ツアー帯同経験あり
本格派YouTubeテニスチャンネル
「スターテニスアカデミー」創設者
テニス留学中、効率的に上達する指導法に出会い、その指導に特化したスクール運営に携わった後、ジュニア部門を立ち上げ独立。
YouTubeチャンネル スタテニの撮影に携わり常にトップレベルのプレーを間近にしている。実はスタテニの前進、小野田テニスクラブ生みの親。
効率よく上達するための練習方法と器具を皆さまに提案するため日々奮闘中。
壁打ちはフェデラーもやっている!
レジェンドと言われているあのフェデラー選手も良く壁打ちをしていたとコメントしていますし、twitterでは雪が降る中で壁打ちを楽しんでいる様子がアップされていました。
Making sure I still remember how to hit trick shots #TennisAtHome pic.twitter.com/DKDKQTaluY
— Roger Federer (@rogerfederer) March 30, 2020
その他、ジュニア時代に壁打ちをしていたと語っている選手は多数います。
それぐらい、手軽に一人で練習するにはうってつけの練習方法だと言えます。
では、この壁打ちをどうやって上達につなげていけばいいのか、詳しく見ていきましょう。
フットワーク
- まず、必ず返ってくる。 壁に当てる限り必ずボールが帰ってきます。これは最高の練習パートナーではないでしょうか。
- 準備が早くなる。 強く打てば打つほど速いボールが帰ってくるのでその分早く準備しないといけません。
ボールを見てしまい動きが止まってしまう人にはうってつけの練習です。
壁打ちだからといって、強く打ってしまいがちですが、おすすめの練習方法としては、連続で打ち返せるぐらいの力加減で打つという事です。テニスは、常に調整が必要なスポーツです。
その調整能力を高めるためにもどれぐらいの力加減で打てば、次に打てるボールが帰って来るかを想像する事から始めましょう。
撮影現場でも、選手がアップ代わりに壁打ちをしている事がありますが、やはり、調整能力が高いと感じる場面が多くあります。
強打ではなくコントロール。ここが壁打ちで養われる能力でしょう。
そのためには小さな動きでポジションを微調整する能力が養われます。
ボールコントロール
- 力加減が出来るようになる。
強く打つだけではどんどんペースが速くなってしまい、すぐに続かなくなってしまいます。
続けて打ち返すには、ペースが速くなりそうだと感じたら弱いスイングでペースを落とす感覚を身に着ける必要があります。
- いろんなバウンドのタイミングで打つ機会が多くなる。
これは、かなり大きなメリットだと思います。普通球出し練習なんかだと、ちょうど打ちやすいボールが飛んできます。
ですが、ハーフバウンド、ツーバウンド直前そんなタイミングで打ち返さないと動きが間に合わない場合が多々あります。
先程のフェデラーの動画でもいろんなタイミングで打っているのが分かると思います。いろいろなタイミングを知ることは上達する上でとても重要な事だと考えています。
フォームの確認改善
一人で練習できるからこそ、自分のフォームの確認ができます。
基本動作を意識して何度も繰り返すことで、正しいフォームを身につけることができます。
フォームの確認や改善には一人で練習できる壁打ちが適しています。
何度も同じフォームで打っていると、この打ち方をすると、ボールがどの方向に飛ぶ傾向があるのか、どれくらいのボールが帰って来るのか分かったりします。
コート上では、一人で繰り返し練習する事が難しく感じますが、壁打ちだと逆に一人の方が集中して練習することが出来ます。
壁打ちのデメリット(壁打ちではできない練習)
メリットもあれば、壁打ちでは、デメリット(出来ない練習)ももちろんあります。
スピンショットを続けて打てない。
スピンを掛け過ぎてしまうと、ボールの回転により壁に当たった瞬間に山なりの軌道でボールが返ってきてしまいます。
飛距離が出てしまうので続ける事が難しくなります。
軌道を変える練習は、壁打ちでは適していません。
どんなボールでも自分のところに返って来ることを目指す必要があるからです。
実際には、飛んで来たボールに対して、低く返す、山なりに返す等の練習が必要となります。
スライスショットも続けて打てない。
コートに収まるボールが打てているかは分からない
相手コートのどのあたりにボールが落ちているかが分からないため、コートに入れるための力加減ではなく、壁打ちを続けるための力加減になってしまう。
大きなフットワーク等長い距離を移動して打つ練習はできない。
ほぼ同じ場所でボールを打ち返すため、長距離を移動しながらボールを打つ練習はスペース的にも難しくなります。
テニスで実際には、近い距離の移動と遠いボールに対しての移動を使い分ける必要があります。
フットワークの練習をするのであれば、壁打ちとは別に練習するか、フットワークのみの練習が理想的です。
サーブ
壁打ちでサーブを練習している方を見かけますが、壁打ちでサーブの上達をしていくのはむずかしいでしょう。
距離感やコース、回転全てにおいて、このサーブで本当に入るのかなどが非常にわかりづらいです。
サーブに関しては、コーチがいる環境で練習する事が理想となります。
テニスにおいて壁打ちで意識する4つのポイント
壁打ちのメリットを十分に生かすために、ハードショットの練習するのではなく、連続して打つ練習と位置付けましょう。
そのためには、一連の動きの中で以下の4つのポイントをクリアできるようにしましょう。
強く打ちすぎず、連続して打てるボールのスピードを覚えましょう。
ボールを打つことに集中し過ぎず、ボールの帰ってくる場所を予測しましょう。
打ったらすぐにボールを打つ準備(テイクバック)をしましょう。
ハーフバウンド、ツーバウンド直前など、ボールが飛んできている瞬間にどのタイミングでボールを打つか判断できるように練習しましょう。
以上のポイントを理解して練習すると、あっという間に上達できちゃうかもしれません。
なお、登戸にてフットワークとサーブに特化したレッスンを開講しております。
壁打ちはプロも実践する練習方法で、ボールコントロールや細かなフットワーク、 基本フォームの反復練習には最適です。
しかし、壁打ちだけではできない練習もあります。
・スピンやスライスなど、実戦的なショット練習
・大きな距離を移動するフットワーク
・コースや距離感が重要なサーブ練習
・実際の試合で必要な総合的な動き
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壁打ちで培った細かな動きをベースに、身体で覚えていきましょう。
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