テニスをやっているとよく、あの子は運動神経がいいとか、あの人は反応がいいなんて事をよく聞きまますよね。
その運動神経や、反応の良さは先天的なものなのでしょうか?それとも後天的なものなのでしょうか?
今まで指導してきた経験と、科学的な見解を総合的に見て、考えをまとめておきたいと思います。
マツダコーチ SmartSwing.Pro代表(テニススクール運営、テニス用品開発) テニスコーチ歴19年
テニス留学中、効率的に上達する指導法に出会い、その指導に特化したスクール運営に携わった後、ジュニア部門を立ち上げ独立。
YouTubeチャンネル スタテニの撮影に携わり常にトップレベルのプレーを間近にしている。実はスタテニの前進、小野田テニスクラブ生みの親。
効率よく上達するための練習方法と器具を皆さまに提案するため日々奮闘中。
運動連鎖とは
技術的な上達は運動連鎖が上手くいくようになる事と言っても過言ではありません。
運動連鎖とは、
テニスにおいてボールを打つ行為のために、足から腕、そしてラケットへと、各部の動きを力に変えて伝えるという事です。
フットワークやスイングワークを改善すると、運動連鎖がスムーズに繋がるようになり、効率よく少ない力でもラケットヘッドを加速させることが出来ます。
遺伝についてバイオメカニクスの研究結果
遺伝的影響が大きいものは筋繊維組成、速筋と遅筋の割合だそうです。
そして、動きの正確性や再現性は遺伝的影響よりも、練習などによる後天的な影響が大きいとの事です。
つまり、スポーツの上手さはトレーニングによっておおいに改善の余地があるという事です。出典 スポーツ動作の科学 東京大学出版会
このようなことはコーチとして経験的に感じています。
子供の頃、非常に能力は高いがあまり熱心ではない選手よりも、こつこつと練習を積み上げてきた選手の方が数年後、良い成績を残すようになるという事はよくあることです。
能力の向上に最適な時期は?
バイオメカニクス的見解からすると運動神経とは、脳神経の機能的発達によるもので、体の発達よりも早い段階で起こります。脳の機能は6才~13才で急激に発達します。そのため、動きの技術を習得するには低年齢であればあるほど良いとされています。
指導をしてきた立場からすると、幼稚園ぐらいの時期にさまざまな動きや、動作を取り入れ、完成された動きを目指すよりも経験することが重要ではないかと考えています。
難しいからこそ面白い。
テニスというスポーツは動きの速さだけではなく、ボールをコントロールする技術、試合に勝つための戦略など、同時に行わなければならないことが多く、難しいスポーツだと思います。
ですが、難しいからこそさまざまな所にチャンスがあり、トレーニングによる効果を実感しやすいスポーツだともいえます。
何かを習得する効率が一番高いのは低年齢かもしれませんが、動きの技術を習得し、再現性を高めていく。
そのためには何より、継続して改善し続けることが唯一上達への道だと思います。
ボールを捨てないという考え方
スマホでコントロールできるテニスマシン