【テニス】サーブのスピードを速くする方法!フォーム&トレーニング法

こんにちは、SmartSwing.Pro代表のSS.P松田です。

テニスコーチ歴19年、日本テニス協会公認コーチとして、多くのプレイヤーのサポートをしてきました。

オーストラリアでの経験や、女子ダブルス世界チャンピオンのルネ・スタッブス選手とのヒッティングパートナーを務めた経験など、プロ選手のプレーを間近で観察し、彼らのテクニックを一般プレイヤーに適用する方法を模索してきました。

今回は、多くの方が抱える「サーブにスピードがない」「スピードを意識すると入らない」といった悩みに焦点を当て、サーブのスピードアップ方法をお伝えします。

この記事で学んだことを実践することで、あなたのサーブが確実に改善していくはずです。

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目次

テニスのサーブでなぜスピードが重要なのか

テニスの試合では、自分のサービスゲームを落とさないことが極めて重要です。
サーブのスピードアップは、あなたのテニスを劇的に変える可能性を秘めています。

まず、速いサーブは相手の反応時間を奪い、リターンミスを誘います。
これは単にポイントを取りやすくするだけでなく、相手に大きな心理的プレッシャーをかけ、試合全体の流れを左右することにもなります。

さらに、スピードのあるサーブはエースやチャンスボールにつながりやすく、効率的なポイント獲得の近道となります。
これは単に得点を重ねるだけでなく、より攻撃的なプレースタイルが可能となります。

強力なサーブを武器に、試合の主導権を握り、自分のペースで試合を進められるようになるでしょう。

加えて、サーブキープ率の向上は体力面でも大きなメリットをもたらします。

サービスゲームを楽にキープできるようになれば、体力の消耗を抑えることができます。
これにより、長時間の試合でも高いパフォーマンスを維持でき、最後まで力強いプレーを続けることができるのです。

このように、サーブのスピードアップは、技術面だけでなく、心理面、戦略面、体力面など、テニスのあらゆる側面にポジティブな影響を与えます。

つまり、サーブのスピードアップは、自信の獲得、勝利への近道といえるのです。
しかし、単にスピードだけを追求するのではなく、コントロールとのバランスが重要であることを忘れないでください。

それでは、ここからスピードアップするためのテクニックをお伝えしていきます。

サーブのスピードを上げる方法

1. トスアップから力まない (リラックスしたテイクバック)

サーブのスピードを上げるためには、ずばり、力まずスイングしている所と加速のために力を入れているところの「差」が重要になります。
多くの方が陥りがちな誤りは、スピードを出そうとしてテイクバック時に力みすぎることです。

私が指導する上では、

  • まず身体を動かすという意識を持つ事。
  • その体の動きが、ラケットヘッドを加速させるために使われる事。
  • 力を入れる=スピードが上がる、ではないと認識する事。

この3つを意識しています。

サーブ動作の始めは、肩や腕の力を抜くことが重要です。

力んだ状態ではスムーズな動きになりません。
力を抜くことでより自然で効率的な動きが可能になります。

ラケットを後ろに引く際も、無理に大きく引こうとせず、自分の体の柔軟性に合わせた自然な動きを心がけましょう。

スイングのスピードに関しては、初めから全力を出そうとするのではなく、インパクトに向けて徐々に加速していくイメージを持つことが大切です。
スイングの後半で加速することを意識すると、より効果的なサーブを打つことができます。

2. ラケットヘッドの加速させる

サーブの威力を最大化する鍵は、インパクト直前のラケットヘッドの加速にあります。

ラケットヘッドの加速には遠心力が欠かせません。
この動きを実現するために、肩を支点として、腕全体で大きな円を描くようにラケットを振ります。

サーブ動作には、加速させるための円運動が2回あります。

初めに、肩を支点として、腕全体で大きな円を描く第一段階の円運動、そしてラケットを振り上げて打球直前に手首を中心としたラケットの第二段階目の円運動(半円)。
スピードが出ない場合は、このどちらかの円運動が上手くできていないことが大半です。

第二段階の円運動に適しているのがコンチネンタルグリップになります。

このとき、力みすぎずリラックスした状態を保つことが重要です。
力を入れすぎると、かえってラケットヘッドの速度が落ちてしまいます。

練習の際は、「インパクト直前にラケットヘッドが最も速く動いているか」を常に意識してください。
この感覚を掴むことで、より速く、より威力のあるサーブを打てるようになるでしょう。

3. 全身の運動連鎖でパワーを生み出す

体の各関節を順番に使い、目的とする動作のスピードを上げる事を運動連鎖と言います。
サーブでも体の各部位の動きをうまく連携させることが、強力なサーブの秘訣です。

ただ、各関節が動けば動くほど良いと考えてしまうのは間違いです。
関節によってどこまで使えば効率よく次の動きにつながるのか?ここが肝になります。

このあたりを習得するために「勝者のサーブ塾」があると言ってもいいでしょう。
この一連の動きを滑らかに行うことが、高速サーブの鍵となります。

練習方法としては、サーブの動作を分解し、各段階での体の使い方を個別に練習することをおすすめします。
勝者のサーブ塾でも、実際に動きを段階的に分けてレッスンを進めています。

サーブのスピードはどのくらい?

一般的なスピード

私のコーチとしての経験から、感覚的にレベル分けすると、サーブのスピードには以下のような傾向があると感じています。

  • 20代男性中級者:約140km/h
  • 男性上級者:約150km/h

150キロを越えるサーブが安定して打てるようになれば上級者でしょう。(サービスボックスに入るのが条件ですが)

150キロを越えるサーブになると、サービスボックスにバウンドをして、ベースラインより後ろのフェンスに当たるぐらいの勢いになります。

  • 50歳以上のプロレベルの選手:160km/h以上
    (年齢を重ねてもスムーズなスイングが出来ていればフラットサーブはこれぐらいは出ています)
  • 女性の一般プレーヤー:約100km/h前後
    (草トーに出ている女性プレーヤーのほどんどは100キロ前後の印象です。)
  • プロ選手(男性):約180〜210km/h
  • プロ選手(女性):約150〜180km/h

これらの数値は平均的なものであり、もちろん個人差はあります。
実際に計測した速さや、サーブを受けた印象ですが、大きく外れてはいないのではないでしょうか?

世界最速サーブの記録

ところで、世界最速が気になったので調べてみました。

世界最速サーブの記録は、オーストラリアのサミュエル・グロート選手が2012年に記録した263.4km/hです。
この記録は、現在も破られていません。

トッププロ選手のサーブスピードを参考までにご紹介します。

  • ジョン・イズナー(アメリカ):253 km/h
  • イボ・カルロビッチ(クロアチア):251 km/h
  • サム・グロス(オーストラリア):249 km/h
  • マリン・チリッチ(クロアチア):244 km/h
  • ミロス・ラオニッチ(カナダ):243 km/h

実際のスピードは、計測方法や環境によっても異なると思います。
ただ、試合中にMAXスピードだけを追い求めてサーブを打つ機会はプロ選手といえど、あまりないと思います。

一般プレーヤーにおいても、MAXスピードではなく、平均的なスピードのアップを目指すべきです。

平均的なサーブスピードを10〜20km/h向上させることを目標にするのが現実的ではないでしょうか。
これは、適切なトレーニングと技術の向上によって十分に達成可能な目標だと考えています。

サーブのスピードアップのためのトレーニング方法

スピードアップをするための要素としては大きく分けて2つあります。

1つは、効率的な動きです。これはサーブの技術で向上できる部分です。
身体の動きを最終的にラケットヘッドの加速につなげる部分です。

2つめは、筋力トレーニングです。効率的な動きをするためには、体幹の安定が必要となり、そのためには筋力トレーニングが効果的です。ただ、早く腕を振る筋力というよりも、早いスイングでもバランスを崩さないための、安定向上のための筋力が必要です。

1. ストレッチと最低限の可動域の確保

サーブのスピードアップには、適切な可動域が必要不可欠です。
一番ポイントとなるのが肩回り、肩甲骨の動きです。

ストレッチを継続的に行うことで、サーブ動作の範囲が広がり、より大きな力を生み出せるようになります。
柔軟性の向上は、怪我の予防にも繋がるため、一石二鳥の効果があります。

ただ、可動域が広ければ良いサーブが打てるかというと、そうでもありません。
ラケットの加速に必要な最低限の可動域というものがあります。

加齢により可動域は狭くなっていくので、日常的にストレッチを行っていきましょう。

鈴木貴男プロのサーブは現役引退後の昨今でも素晴らしいサーブを打っています。
その貴男プロは、練習前練習後に非常に入念なストレッチを行っています。

スタテニの撮影に関わって現場を見ていますが、コートではボールを打っているか、ストレッチを行っているかのどちらか、というぐらいにストレッチを行っている光景を目にします。

2. 正確な素振り練習

フォームの改善とスピードアップには、素振りが非常に効果的です。

以下のポイントを意識して素振り練習を行いましょう:

ラケットを持って素振りを行う:ゆっくり正確に動作を行うことが重要です。

ここでゆっくりというのが、一連の動作に時間をかけてかなり遅くスイングしてみてください。
例えば、通常のスイング動作が、3秒程度だとすると、10倍の30秒程度時間をかけて超スローモーションでの素振りです。

これだけゆっくりスイングするとなると、各タイミングで決まった形のイメージが無いとかなり難しいと思います。

テイクバック、トロフィーポーズ、スイングの各段階を意識:各段階でのフォームを確認しします。

スイング練習機の使用:ある程度の動きが固まってきたら、インパクトの瞬間がイメージしやすいスイング練習器もおすすめです。

素振り練習は、鏡の前で行うことで、自分のフォームを視覚的に確認することができます。
また、ビデオ撮影を行い、自分のフォームを客観的に分析することも効果的です。

※スイング練習機はこちらの記事で、詳しく解説しています

サーブのスピードと正確さを両立させるコツ

1. 脱力とリラックス

緊張は筋肉を固くし、フォームを崩す原因となります。
どうしても力んでしまうという方は以下の方法を試してみてください:

深呼吸

サーブを打つ前に、ゆっくりと深呼吸を行います。
これにより、体と心をリラックスさせることができます。

ポジティブな自己対話

「良いサーブが打てる」「リラックスして打とう」などの前向きな言葉を心の中で唱えます。

ルーティンの確立

サーブを打つ前の一連の動作(例:ボールをつく回数、深呼吸の回数など)を決めて、毎回同じように行います。これにより、心理的な安定感が得られます。

リラックスすることで集中力が高まり、サーブの精度が向上します。

多くのプロ選手も、独自のルーティンを持っており、これが安定したパフォーマンスにつながっています。
例えば、ラファエル・ナダル選手の特徴的なルーティンは有名ですが、これも彼のプレーの安定性に影響していると言えるでしょう。

練習方法として、試合の緊張感を想定したシチュエーション練習を取り入れることをおすすめします。

例えば、「マッチポイントでのサーブ」という設定で練習を行うことで、プレッシャーの中でもリラックスしてサーブを打つ感覚を身につけることができます。

2. 肩、肘、手首の協調運動

サーブのスピードと正確性を向上させるには、肩、肘、手首の3つの関節を効率よく使うことが重要です。
これらの関節は、それぞれが独立して動くのではなく、協調して働くことで最大の効果を発揮します。

まず、肩の動きに注目しましょう。
大きな肩の回転を使うことで、体全体の力をサーブに伝えることができます。

次に、肘の動きです。
肘を適度に曲げ、最終的な手首のスナップと前腕のプロネーションを効かせることで、より大きなラケットヘッドスピードを生み出せます。

これら3つの関節のバランスが重要で、どれか1つだけを極端に使うとケガのリスクが高まり逆に、どれかの関節の動きが足りないと、力が効率よく伝わらずにパワーロスにつながってしまいます。

練習の際は、ゆっくりとしたモーションで各関節の動きを意識しながらサーブを打つことをおすすめします。
鏡を見ながら練習したり、ビデオで自分のフォームをチェックしたりすることで、より効果的に改善できるでしょう。

3.体幹の安定性

パワフルで正確なサーブを打つためには、体幹の安定性が不可欠です。

体幹は、サーブ動作全体を支える重要な支点となります。
安定した体幹があってこそ、ラケットを自在にコントロールし、力強く振ることができるのです。

サーブ練習の際は、体の軸がぶれないよう意識しながら打つことが重要です。
徐々にスピードを上げていき、安定性を保ったまま力強いサーブが打てるよう練習を重ねてください。

これらの点に注意して練習することで、体幹の安定性が向上し、より速く、より正確なサーブを打てるようになるでしょう。

テニスサーブのスピードアップに関するよくある質問

サーブのスピードを上げると、コントロールが悪くなりませんか?

スピードアップとコントロールの両立は可能です。
正しいフォームと適切な練習により、スピードを上げながらもコントロールを維持することができます。
ただし、急激なスピードアップを目指すのではなく、段階的に向上させていくことが重要です。

年齢とともにサーブのスピードは落ちていくものですか?

年齢とともに自然な筋力の低下はありますが、適切なトレーニングと技術の向上により、年齢を重ねてもサーブのスピードを維持、あるいは向上させることは可能です。
体の柔軟性を保ち、効率的なフォームを身につけることが重要です。
私と同世代1970年代生まれの元トッププロは、入念なストレッチと常にフォームの改善を意識することで、未だに現役選手からサービスエースを取っています。

サーブのスピードアップにはどのくらいの期間が必要ですか?

個人差がありますが、適切な練習を継続的に行えば、6〜12ヶ月程度で明確な向上が(10km/h前後のスピードアップ)見られることが多いです。
数値以外にも、実際にサーブを打っている生徒さん自身が打球音や、スピードに驚く事もありますよ。
ただし、急激な変化を期待するのではなく、着実な上達を目指すことが大切です。

プロ選手のようなスピードのあるサーブを打つコツは何ですか?

プロ選手レベルのサーブを打つには、長年の練習と才能が必要です。
しかし、正しいフォーム、全身の使い方、そして継続的な練習により、一般プレイヤーでも大幅なスピードアップは可能です。
重要なのは、自分の身体能力に合った無理のないフォームを見つけ、それを繰り返し練習することです。

サーブスピードアップを実現する「勝者のサーブ塾」

サーブのスピードアップは、テニスの上達において非常に重要です。

しかし、筋力トレーニングのみや自己流の練習では限界があります。
そこで、おすすめするのがサーブという一連の動作をパーツごとに分けて改善し、身体の使い方を学べる「勝者のサーブ塾」です。

SS. Pの「勝者のサーブ塾」は、サーブのスピードアップと精度向上を目指す方のためのサーブ特化型プログラムです。
2時間のレッスンでは、最新のボール計測装置とビデオ分析を活用し、あなたのサーブを科学的に分析します。

経験豊富なコーチが、データに基づいた的確な指導を提供し、段階的なプログラムであなたのサーブを着実に改善します。

この塾は、筋力トレーニングではなく、身体の動かし方を意識し、技術的な向上を図ります。
試合で緊張して精度が落ちてしまう方も、技術の向上により、試合での緊張を緩和し自信をもたらすでしょう。

スピードに限界を感じている方や、年齢と共に筋力の低下でスピードが落ちてきたとお悩みの方も、技術の向上により補い、高い精度でサービスゲームをキープすることは可能です。

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テニスのサーブスピードアップは、正しい知識と効果的な練習方法があれば、誰でもいつからでも実現できます。
この記事で紹介した方法を実践し、さらなる上達を目指す方は、ぜひ「勝者のサーブ塾」で直接指導を受けてみてください。

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この記事を書いた人

マツダコーチ SmartSwing.Pro代表(テニススクール運営、テニス用品開発) テニス協会公認コーチ コーチ歴19年

テニス留学中、効率的に上達する指導法に出会い、その指導に特化したスクール運営に携わった後、ジュニア部門を立ち上げ独立。

YouTubeチャンネル スタテニの撮影に携わり常にトップレベルのプレーを間近にしている。実はスタテニの前進、小野田テニスクラブ生みの親。

効率よく上達するための練習方法と器具を皆さまに提案するため日々奮闘中。

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